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持てる者と持たざる者の間の闘争

近代に入ってからの人間の闘争は「持てる者(haves)と持たざる者(have-nots)」の間の争いであったように思います。この分類は大学で国際関係論を学んでいるときに出てきた言葉なのですが、当時はベトナム戦争の真っ最中でした。在籍していた大学には神父も多かったのですが、ベトナム反戦を唱える神父もかなりいました。かと思うと、国際学部の学生の中にはベトナム戦争帰りがいて、「北ベトナムに原爆を投下すればいい」と主張する元兵士もいました。ベトナム戦争はその前身のインドシナ戦争から、持てる者(フランス、アメリカ)と、持たざる者(ベトミン、ベトコン)との戦いでした。

キューバのカストロもアメリカ資本とそれに従う富裕層と軍部上層部=バチスタ政権(haves)に対して、have-notsである軍部の下級将校たちとそれに味方する農民たちによって戦われたものです。have-notsの側は民族主義ないし共産主義によりどころを求めるのが一般的です。とくに、共産主義はマルクスとエンゲルスがhave-notsのイギリス労働者の窮状を打開するために、理論的根拠を与える目的で唱えられたものです。ブルジョアジーやそれに従うプチブルジョアジー(プチブル)に対して、have-notsであるプロレタリアートという対立概念を出し、プロレタリアートに権力を与える「プロレタリア独裁」という理論的な帰結になるのです。

フランスの植民地であったアルジェリアでも、フランス人と、フランス系植民者(コロン)、そしてそれに従うアルジェリア人たちがhavesで、そのほかはhave-notsとして弾圧されてきました。フランスは軍隊を派遣して民衆の反乱を防ごうとしましたが、民族解放戦線(FLN)が結成され、これに対してフランス軍の一部はOAS(秘密軍事組織)を結成して、テロ合戦をしました。結局はFLNが勝利して、ドゴール大統領はアルジェリアの独立を承認するのです。FLNのリーダーであったベン・ベラがアルジェリアの大統領になるのですが、カストロの影響を受けて共産主義に接近してしまいます。

イスラエルはhavesであり、パレスチナ人はhave-notsです。パレスチナ解放機構(PLO)には民族主義的なアル・ファタハから、共産主義のPDFLPやPFLP(日本赤軍と共闘)まで幅広くいましたが、共通項はイスラム教でした。キリスト教右派はユダヤ教のイスラエルと共闘し、PLOはイスラム教徒がほとんどでした。イスラエルは周辺のイスラム教国のほとんどぜんぶと4回にわたって戦火を交えて、最終的にはぜんぶ勝利しました。それにはアメリカやイギリスの軍事的な援助があったからです。

ソ連はスターリンの言う「社会主義の祖国」という特権を振りかざして、東欧圏内ではhavesになりました。そのソ連がアフガニスタンを影響下に置こうと軍事侵攻をしてから、アフガニスタンのイスラム教徒たち、つまりhave-notsは団結し、最終的にソ連軍を追い払うのです。しかし、同じイスラム教でも大きく分けてシーア派とスンニ(スンナ)派があり、また指導者の考え方も違っていたので、内戦になりました。最終的にはイスラム原理主義者のタリバーンがいったん政権を掌握するのですが、アメリカが9.11事件をきっかけに介入し、タリバーンをいったん押し戻します。

しかし、イスラム原理主義者というのは、じつはhave-notsであり、エジプトでもサウジ・アラビアでも、指導者層から弾圧されてきたのです。どちらがニワトリか卵か、ということになりますが、エジプトのサダト大統領がイスラエルと歴史的和解をして、それをジハード団という原理主義者が暗殺したのがきっかけでした。「仇敵ユダヤにひれ伏した裏切り者」というわけです。そして、ルクソールで観光客約100人を虐殺したり、世界貿易センタービル爆破事件を起こし、ついに9.11テロとなるのです。

このように見ていくと、havesの代表であるアメリカが標的になるのがよくわかりますね。フランスはインドシナ戦争、アルジェリア戦争で教訓を学び、以降はhavesの特権をなるべく振り回さないようにしているように見えます。戦争はhavesが勝つか、have-notsが勝つか、どちらも「正義は我にあり」と主張しますから、正しい者が勝つわけではありません。当たり前のことですが、国際政治学者ハンス・ケルゼンの言うように、「戦争は強いほうが勝つのであって、正しいほうが勝つわけではない」のです。
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那和秀峻の気まぐれブログへようこそ。エッセイと呼べるほどのものはない駄文、つまり似非を綴っていきます。気が向いたらごらん下さい。

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